候補作品

選後に――芥川賞(第二十九回)選後評――岸田國士

 候補作品として私の手許に送り届けられた十篇のうち、特に一篇だけ傑出したといふものはなかつた。安岡章太郎の「悪い仲間」と「陰気な愉しみ」は、いづれも稀にみるすぐれた才能を示した短篇小説だが、これだけとしては出来栄えにやゝ物足りないところがある。...

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毎回おなじ疑問をくり返す

選後に――芥川賞(第二十五回)選後評――岸田國士

 毎回おなじ疑問をくり返すことになるが、この芥川賞の性格を、もつとはつきりさせなければ、選そのものも徒らにむつかしくなるし、賞の意味もそのために、稀薄になりはせぬかと思ふ。これは、選者の一人として外部に発表すべき意見ではないかも知れぬが、やはり...

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選後に

選後に――芥川賞(第二十二回)選後評――岸田國士

 今度は読みごたへのある作品が多く、だいたい粒がそろつてゐて、たいへん張り合ひがあつた。それだけにまたそのうちに幾篇かは、優劣をきめにくい長所に支へられてゐて、一篇を選びだすのに困難を感じた。 いろいろな文学賞があつて、それぞれ特色のある立場...

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