会議の傾向

「じゃ、我々はこの青年たちの請《こい》を斥《しりぞ》けた方が、無難だというのですか」 会議の傾向が、拒絶に傾いてくると、ゲビスは躍起になっていた。「我々は、こんな些細《ささい》なことで、日本政府と事端《じたん》を構えるのはよくないことだと思う」 艦長は、さっきから拒絶を主張していた。ゲビスは、...

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二人を船上へ拉《らっ》した夷人

 二人を船上へ拉《らっ》した夷人は、二人が船を見物に来たのだと思ったのだろう。二人に羅針盤を見せたりした。二人は首を振って、筆と紙とを求めた。矢立《やたて》も懐紙も小舟へ残して来たのである。 間もなく、日本語の通辞ウィリアムスが出て来、そして二人は船室へ導かれた。ギヤマンのランプが室内を真昼のよう...

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ギヤマンの灯籠《とうろう》

「メリケン人! メリケン人!」重輔は、小舟の舷《ふなべり》に、足をかけながら、大声に叫んだ。 船上に怪しい叫び声が起り、人の気勢《けはい》がしたかと思うと、ギヤマンの灯籠《とうろう》が、舷側から吊し下ろされた。見上ぐると、船上から数人の夷人が、見下ろしている。寅二郎は矢立を取り出し、灯籠の光で懐紙...

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