いつもは寡言《かごん》な提督《ていとく》ペリー

「しかし、ゲビス君!」いつもは寡言《かごん》な提督《ていとく》ペリーが、重々しい口を開いた。「私も、あの青年たちの希望を遂げさせたいという感情においては、君と異らない。が、しかし私は横浜において、合衆国の国家と日本の国家との間の条約を結んだ。その私は、私情をもって、日本の法律に背《そむ》こうとする日...

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会議の傾向

「じゃ、我々はこの青年たちの請《こい》を斥《しりぞ》けた方が、無難だというのですか」 会議の傾向が、拒絶に傾いてくると、ゲビスは躍起になっていた。「我々は、こんな些細《ささい》なことで、日本政府と事端《じたん》を構えるのはよくないことだと思う」 艦長は、さっきから拒絶を主張していた。ゲビスは、...

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二人を船上へ拉《らっ》した夷人

 二人を船上へ拉《らっ》した夷人は、二人が船を見物に来たのだと思ったのだろう。二人に羅針盤を見せたりした。二人は首を振って、筆と紙とを求めた。矢立《やたて》も懐紙も小舟へ残して来たのである。 間もなく、日本語の通辞ウィリアムスが出て来、そして二人は船室へ導かれた。ギヤマンのランプが室内を真昼のよう...

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